今回ご紹介するのは、娘が浮気をしているのではないかというご両親からのご依頼です。
浮気調査というと、一般的には配偶者が依頼者になるケースがほとんどですが、当事務所では親御さんからのご相談も少なくありません。
クライアントは60代のご夫婦。クライアントの娘さん34歳は結婚6年目で、総合病院に勤務。夫はIT企業に勤め、共働きの穏やかな夫婦生活を送っているように見えました。しかし、ここ1年ほど前から娘の様子に変化が現れたといいます。最近はめっきり実家に来なくなりLINEを送っても、返事がそっけなく、どこか心ここにあらずという感じだったと言います。さらに、母親が偶然ショッピングモールで見知らぬ若い男性と腕を組んで歩く娘さんの姿を目撃し、また、母親の知り合いが旅先で男性と一緒にいる娘さんを見かけたと話され、両親は迷った末、当事務所へご相談くださいました。
今回の目的は娘が不倫関係にあるかを確認し、事実を把握することでした。ご両親は娘を責めるためではなく、間違った道を歩んでいるなら止めたいという思いで依頼を決意されました。当事務所では、プライバシー保護と感情的配慮を最優先に、調査計画を立案させていただきました。対象者(娘さん)の行動パターンを把握し、勤務後や休日の行動を重点的に確認する方針としました。初日は朝8時から尾行を開始。対象者は普段通り出勤し、勤務終了後まっすぐ帰宅され、特に不審な点はありませんでした。しかし、2日目の夕方、仕事を終えた対象者は、幹線道路沿いのカフェに立ち寄り、若い男性と合流しました。2人は自然に向かい合って座り笑顔で会話を交わしていました。店を出る際には、男性が軽く対象者の肩に手を置き、対象者も抵抗する様子はありませんでした。この時点で、単なる知り合い以上の親密な関係である可能性が高まりました。以後、接触頻度・行動エリア・滞在時間などを継続的に観察しました。
決定的な不貞の証拠をつかんだのは対象者が翌日は休みの夜でした。対象者の夫が地方出張中であることを確認したうえで、尾行を実施しました。退社後、彼女は関係者の男性と再び合流しました。2時間ほど食事を楽しんだあと、ラブホテルへと入室しました。当事務所のスタッフが高性能カメラにより、入室・退室の映像をしっかりと記録しました。翌朝8時過ぎ、同じホテルから出てくる2人の姿を確認しました。この瞬間に不貞行為の決定的証拠が揃いました。同行していたスタッフが、浮気の事実を突きつけるのはつらいが、依頼者にとって必要な真実だと話していました。
調査時間終了後、ご両親に報告書を提出させていただきました。証拠写真と行動記録を手渡すと、父親は冷静に報告書を読み終え、責めるのは簡単だが、なぜこんなことになったのか、ちゃんと話を聞こうと思いますと静かに話されました。
後日、両親から再度ご連絡がありました。娘さんはご両親に真実を打ち明け、涙ながらに謝罪され、不倫相手とは関係を清算し、夫婦で再スタートを切る決意をしたとのことでした。母親は電話の最後にこう語りました。真実を知るのは怖かったけれど、知らないままでは何もできませんでした。探偵さんにお願いして、本当によかったです。
今回のケースは、浮気の被害者である配偶者ではなく、第三者である両親からのご依頼でした。家族を思う気持ちが根底にあった点が非常に印象的でした。浮気調査というと、相手を追及する、別れるための証拠を取るといったイメージを持たれがちですが、実際には、現状を正しく知り、今後どうするかを冷静に判断するための調査なのです。事実を知ることで、依頼者が再び前を向ける。そのために探偵ができることは、正確で確実な証拠を提供することに尽きるのではないでしょうか。
当事務所の浮気調査方針としては、依頼者の立場や目的に応じて、調査計画を柔軟に設計することです。行動パターンの分析と尾行・張り込みによる実地調査、 写真による明確な証拠取得、 相手の身元調査(勤務先・住所・交際状況など)、弁護士連携による法的サポート体制などがあります。調査中は、逐次経過報告を行い、クライアント様が不安なく経過を見守れる体制を整えています。また、調査終了後のアフターカウンセリングにも力を入れており、今回のように家族再生のためのサポートも行っています。
終わりになりますが、真実を知る勇気が次の一歩を踏み出す力に繋がると信じて当探偵事務所は日々調査に取り組んでいます。浮気調査は疑うための行動ではありません。信じたいからこそ、確かめたいという思いから始まるものです。今回の事例でも、ご両親が事実を知る勇気を持ったことで、結果的に娘さんは過ちに気づき、家族として再出発することができました。私たち探偵の役割は、壊すためではなく守るための調査を行うことだと信じています。これからも、依頼者一人ひとりの想いに寄り添い、真実を明らかにするお手伝いを続けてまいります。

