浮気調査は探偵業のなかでも最も依頼件数が多く、技術・心理・計画性が求められる業務です。調査は準備 → 実施 → 証拠化 → 報告という大きな流れで進行しますが、その中には数多くの細かなステップが存在します。ここでは、実際に行うプロセスを、時系列に沿って大まかに解説したいと思います。
①相談・ヒアリング(事前情報の整理)
浮気調査の成否は、クライアントから得られる情報の質に大きく左右されます。私ども探偵はまずクライアントから以下の情報を丁寧にヒアリングすることにしています。対象者(夫や妻)の基本情報、年齢・職業・外見・通勤手段などです。行動パターン、出勤時間・休日の過ごし方・家に帰らない日など、怪しい日・怪しい時間帯。疑わしい関係者がいる場合は名前・外見・SNS など。対象者の過去の不審な行動やスマホの扱い方。クライアントが望む目的が何か(慰謝料請求・離婚・修復)などがあげられます。探偵は、法律に違反する依頼でないか(ストーカー目的など)を判断する義務があるため、この段階でリスク評価も同時に行います。ヒアリングは、今後の調査計画の精度を左右する重要な工程なので丁寧に行うことを心がけています。
②調査計画の作成(浮気の起きやすい日を特定)
ヒアリングをもとにして、私ども探偵は詳細な調査計画を立てます。浮気調査は、やみくもに追えばよいわけではなく、浮気相手と会いやすい曜日、帰宅が遅くなりやすい日、仕事が休みの日、出張と称する怪しい予定、LINE・SNSの使い方の変化などから接触の可能性が高い日を予測して調査します。
さらに、私ども探偵は尾行開始場所になる自宅・職場など、対象者の行動ルートの予測、張り込みポイントの選定、複数人尾行の場合の交代ポイント、交通手段に合わせた車両・歩行の準備などの確認も怠りません。地図情報の確認、現場の下見、周囲の照度などもチェックし、どこから見えるか、どう追うかを詳細に決めています。
③現場の下見
調査の成功率を高めるため、私ども探偵は事前に現場を歩いて確認します。張り込みできる位置はあるか、近くに長時間停められる駐車スペースはあるか、人通りや交通量、逃げ道になりそうなルート、建物の出入口の数、夕方から夜間の視界の変化などを注意深く観察します。これにより、本番で見失うリスクを大幅に下げられます。
④調査開始(尾行・張り込み)
浮気調査の中心となるのが、対象者の行動を追尾し、接触している現場を記録する工程です。張り込みは対象者が自宅から出る時間、または仕事を終えて帰る時間帯に合わせて、事前に現場に入り待機します。車内待機・徒歩待機など状況に応じて自然に溶け込むよう細心の注意を払っています。次に尾行の開始です。対象者が動き出したら、私ども探偵は距離を保ちながら尾行します。歩行尾行、車両尾行、電車やバス尾行、商業施設内での追跡などです。対象者と関係者に気づかれないように適度な距離を保ちながら尾行することが重要です。
⑤行動記録(写真・映像の撮影)
浮気調査で最も重要なのは、法的に有効な証拠です。対象者と見知らぬ異性が落ち合った瞬間、探偵は距離を取りつつ状況を撮影します。例えば、手をつないだり、ボディタッチ、親密な会話、特定の宿泊施設へ向かう、ホテルへの出入りなどです。2人が一緒に行動しているだけでは不貞の証拠には不十分であり、肉体関係を推測できる行動の撮影が必須です。最も一般的な証拠が、ラブホテルやビジネスホテルへの出入りです。私ども探偵は入る瞬間と出る瞬間、2人が同伴していることが明確、撮影日時が記録されている、ホテル名がわかる(看板・入口)を撮影します。この一連の記録は、裁判や示談交渉において強力な証拠となります。
⑥データ整理と状況分析
調査後、私ども探偵は撮影データと行動記録を整理し、時系列のレポートを作成します。撮影写真の選定、映像の編集(切り取りのみ、加工は不可)、
行動の分単位の時系列記録、目視した対象者の行動の詳細、帰宅時間、移動ルート、交通手段、関係者の外見・特徴・行動などです。報告書の質は探偵社によって大きく差がありますが、私どもは裁判でも使えるレベルのドキュメントを作成しています。
⑦調査結果の報告(証拠提出)
調査が完了すると、報告書をクライアントに提出します。報告書には対象者の行動の記録、撮影写真、関係者の特徴、浮気の有無、判断材料、今後の行動予測などが記されており、写真の加工は一切行わず、撮ったままの証拠となっています。
⑧アフターサポート
私ども探偵は調査後もクライアントの希望がある場合はサポートを行います。弁護士の紹介、調停・裁判に証拠を提出する際のアドバイス、パートナーとの関係修復のアドバイス、再発防止の行動分析、
必要に応じた追加調査などです。浮気調査は証拠を撮って終わりではなく、クライアントの問題解決まで寄り添うことを信条としています。
最後に、私ども探偵は、特別な権限や違法手段は使わず合法的な調査技術と、地道で丁寧な観察によって証拠を積み上げて日々調査を行っています。調査の成功は計画、分析、現場対応力の三つが揃って初めて実現するのです。

