探偵社選びにおいて、料金体系の透明性は信頼性の核心です。なぜ「1時間あたりの詳細な内訳」が明記された見積書が重要なのか、その理由をお話ししたいと思います。
1. 「不透明さ」が招く消費者トラブルの回避
探偵業界において最も多いトラブルは、契約後の追加料金や、不明瞭な経費精算です。国民生活センターには、契約時に総額だけを提示され、後から「車両代」「報告書作成代」として高額な請求をされたという相談が絶えません。
1時間あたりの単価(調査員1名につき◯◯◯◯円)が明示されていれば、クライアントは「いつ、誰が、何時間動いたか」を客観的に把握できます。この明示こそが、強引な勧誘や架空請求を防ぐ最大の防御策となります。
2. 調査品質の担保と「手抜き」の防止
探偵の業務は目に見えないサービスです。詳細な見積書は、その調査に「何名の調査員が投入されるか」を定義します。
一括パックは1時間当たりの単価が不明で実際には1名で調査しているのに、3名分の料金を請求されるリスクがあります。探偵社の見積書で「一括パック料金」を勧める探偵社がありますが、クライアントにとって必ずしも有利とは限りません。まず最大の問題は、調査内容や期間が不透明になりやすい点です。本来、探偵業務は対象者の行動や状況によって必要な時間や人員が大きく変わります。しかし一括パックでは「○日間いくら」とまとめられているため、実際にどれだけ稼働したのかが分かりにくく、過不足が生じやすいのです。
また、途中で十分な証拠が取れた場合でも返金がないケースや、逆に追加調査が必要になった際に別料金が発生するケースもあります。結果として割高になる可能性も否定できません。さらに、成功報酬型と異なり成果の質よりも契約消化が優先される懸念もあります。
逆に、詳細な時間単価制の場合は調査員1名あたりのコストが明確で、現場の布陣が適切かどうかを判断できます。
各地域の公安委員会の指針に基づき営業する優良な探偵社は、適正な人件費を算出することで、質の高い証拠収集(暗視カメラの使用や複数ルートの張り込みなど)を約束します。
3. 戦略的なコストコントロールが可能に
浮気調査や素行調査は、対象者の動きによって時間が変動します。1時間あたりの料金が分かっていれば、クライアント側で「この日は動きそうだから5時間集中してほしい」「今日は予算を抑えるために3時間で切り上げてほしい」といった、予算に合わせた戦略的指示が出せるようになります。
4. 裁判での証拠能力と関連費用
裁判で証拠として提出する調査報告書の価値は、かかった実働時間と反比例することはありませんが、詳細な見積書(および領収書)は、後に相手方へ調査費用の賠償請求を行う際の重要な根拠資料となります。内訳が不明瞭な領収書では、裁判所に「妥当な調査費用」として認められないケースがあるためです。
5. 比較検討の「唯一の共通尺度」
複数の探偵社を比較する際、総額だけでは「何に対する対価か」が分かりません。
A社:総額50万円(内訳不明)
B社:1時間1.5万円 × 2名 × 15時間 = 45万円 + 経費
このように比較することで、初めて「B社の方が、予備の調査員を含めた体制がしっかりしている」といった実態が見えてきます。
警察庁が所管する「探偵業法」(探偵業の業務の適正化に関する法律)では、料金の「金額」そのものに規定はありませんが、トラブル防止のため「契約前の書面による料金説明」を厳格に義務付けています。契約の際は必ずトラブルを避けるためにチェック項目は見積り以上の請求がないか、追加料金の発生条件を確認することが重要です。また、過去に処分を受けた業者は警察庁や各都道府県警察のHPで公表されています。
結論として
探偵に調査を依頼する際は、「時間当たり」で算出された見積書を確認することが安心につながります。なぜなら、何時間稼働し、調査員が何名動き、車両費や機材費がいくらかかるのかが明確になるからです。内訳が具体的であれば、不要な費用が含まれていないかを判断でき、納得したうえで契約できます。
一方で、総額だけを提示する曖昧な見積りでは、実際の稼働内容が見えにくく、不安が残ります。時間制であれば、早期に証拠が取れた場合は費用を抑えることも可能です。詳細な見積書を提出できる探偵社は、自社のコスト構造を把握し、顧客に対して誠実である証拠です。「1時間あたりの単価」「車両代」「機材費」「報告書作成費」が細かく分かれているかを確認してください。
お金は大切な生活資金です。だからこそ、透明性の高い見積書を提示する探偵事務所を選び、十分な説明を受けてから契約することが重要です。安心は、明確な数字から生まれます。

